『物語の中世』


『物語の中世』(保立道久)は文学寄りの歴史学
有名な中世物語(かぐや姫や鬼が島など)の記述から、
歴史的なバックグラウンドに踏み込んでいく、というもの。
バラエティがあって面白かった。


破壊力の点で抜けていたのは、やはり巻頭の「かぐや姫」か。
背後に、天武系→天智系の天皇交替があった、というのは、ほほう、と思った。
あとは「鉢かぶり姫」など。三年寝太郎の癲癇説は、そういうこともあるか、という感じだったが、
それよりも、もろ中世の話なので、当時の人身売買の資料などが論じられており、
下人という名の奴隷制が教養として話が進んでいくのは、ちょっと知的精神的につらかった。
このあたり、全然知らんから、、。