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斜め上を行かれました。
- 作者: ビルプロンジーニ,バリー・N.マルツバーグ,Bill Pronzini,Barry N. Malzberg,高木直二
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1992/07
- メディア: 文庫
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ミステリつながりでコネタを思い出したのでひとつ。
『刺青殺人事件』(高木彬光)という日本の古典ミステリがあります。
これ、殺人の時期・舞台が戦後すぐの下北沢なんです。
私は現在下北沢に住んでおりますが、文中の道や建物の描写にのけぞった記憶があります。
これが非常に正確に書かれているわけですよ。もうアタマの中で即座に登場人物が辿ったルートが浮かぶぐらいに。
いや、今と昔とでは色々と様変わりしているんじゃないの?と思われるむきもあるかもしれませんが、
例えば、教会なんぞは60年前と同じところにあるのですね。それで判別がつく。
小説の中で見知った土地や建物や店が出てくると興奮せざるをえないものです。
多くの小説は東京を舞台にしているので、東京に住むようになるとコレにやたらとひっかかります。
堀江敏幸なんか確信犯ですもんね。
で、『刺青殺人事件』に戻ると、シモキタの良く知っている辺りに以前米軍宿舎があったらしい、ということがわかったわけです。
それは当然本筋ではないので描写は乏しいのですが、前後含めて面積などを勘案すると、どうも現在、世田谷区の下北沢出張庁舎がある場所らしい。
これはまあ、ありそうな話です。米軍施設の跡地を公共施設にするというのは実に妥当です。
ぱっと思いつくところでは、FC東京のホームであるいわゆる"味スタ"の土地は元米軍がらみだった、というのがあります。
逆算すると、東京でわりと新しくまとまって大きな公共施設の素性は結構米軍由来なのかもしれません。
現在でも在日米軍施設はかなりの数が点在してあり、しかもひっそりと返還され続けているという話ですから。
- 作者: 高木彬光
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/10/12
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