2006-01-01から1年間の記事一覧

『天の腕』(棚木恒寿)天の腕 (音叢書)作者: 棚木恒寿出版社/メーカー: ながらみ書房発売日: 2006/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る

十首選 八月の職員室の扉(ひ)はうすく陽が押し寄せぬ生徒のごとく 何の喩でもなき生徒を帰し教室の灯を消しぬ灯は退きてゆく 馴(な)寄りつつ揺らぐ生徒の小波あり上澄みをゆく午後の数学 六月といえば生徒の崩ゆる頃一年生くろく茂り初めたり まだ熱い朝顔の…

若さ

先ほど帰宅したところ、棚木さんの歌集が届いておりました。ありがとうございました。 跋文とあとがきをともかく最初に読みました。この歌集をもって"「若さ」に訣別をつける"との言葉が、深く心に染み入りました。 その「若さ」は私自身の若さとも、場所・…

ちょっと気分転換。

社会詠ふたたび

私は社会詠に相当の興味がありますので(例えば相聞よりも)、今回の論争は注目していました。 そのなかで表明されたという歌の評価基準(ないしは読解へのアプローチ手法)は、 日本の社会が(もっと細かくいえば短歌を詠み読む「集団」が)思想・価値観における…

『うさぎの鼻のようで抱きたい』(山内頌子)ISBN:4860234146

十首選 大和物語百四十七段死ぬことはないだろうに、女 〆切は三つあった今日BOXにこもれば非常に感覚的な夕ぐれ 辞めてから「なあんだ」と納得できることでもないようだ薬価計算 とうがらしの辛さにうつむいてたんです私の将来どうしようかな ぶらんこの座…

社会詠

http://www3.osk.3web.ne.jp/~seijisya/jihyou/jihyou_061120kodaka2.html http://www3.osk.3web.ne.jp/~seijisya/jihyou/jihyou_061120.html 社会詠において「読者と感情を交換できる」ためには、作者と読者が価値観や思想を共有しておくことが前提であり、…

『連歌とは何か』(綿抜豊昭)連歌とは何か (講談社選書メチエ)作者: 綿抜豊昭出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/10/11メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見る

やや旧聞に属するかもしれませんが、上記のような本が出ていたので報告します。 連歌に関しての本はほとんどないのが現状でしたが、講談社選書メチエからの出版であり、 また比較的廉価でもあり、待望の書といえるかもしれません。 内容はやや固く、記述は連…

角川短歌11月号短歌 2006年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/10/25メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る

今号は新人賞発表号でした。受賞は澤村斉美さんの『黙秘の庭』です*1。あらためて、おめでとうございます。同じサークル・結社に過ごした者として、たいへん誇らしく思います。 五首選 減りやすき体力とお金のまづお金身体検査のごとく記録す ぢつと待つ倉庫…

http://www3.osk.3web.ne.jp/~seijisya/jihyou/jihyou_061016.html 世代差というより階級差という気がしますが。 まあ、世代間格差をいいつのることで自らの世代に"聖性"を付加させよう、という発想にはノれません。

http://www.nikkei.co.jp/sp2/nt71/20061009AS1C0900109102006.html どう詠み/詠まれますかね。今回は、対岸とはいえただの対岸ではないし。

生協で『結社の世界史/ 結衆・結社の日本史』結衆・結社の日本史 (結社の世界史)作者: 綾部恒雄,福田アジオ出版社/メーカー: 山川出版社発売日: 2006/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見るとかいうのが並んでたので立ち読みしましたが、まあ…

といいますか、もう新聞にも出てますね。おめでとうございます*1。 *1:http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20060831ddm012040149000c.html

たいへんに嬉しく、かつ誇らしいことがあったのですが、詳細はのちほど。 Sさん、おめでとうございます。

朝起きたら大停電。ビビリました。時期が時期だけにテロかと思いましたよ。。。 当然ながら、テレビは全くの役立たず。ラジオを買うことにしました。

ジダンの頭突きは、あれは何か見てはいけないもの、でしたか。血が冷えました。

京都より昨晩帰って参りました。 島田さん、西之原さん、澤村さん、ありがとうございました。 居る間は雨が降らず、蒸し暑かったものの基本的に快適でした。 久々に濃い話ができて嬉しかったです。 年をとると腹をわった話というものがなかなかできなくなっ…

さよならジーコ。

『豊作』第四号。 酒重く残るからだをひきながら仕事にむかふ蛭のごとくに(常盤義昌) アメリカにとりて日本はうす暗し見えぬところで水が流れる(澤村斉美) ひったりと奥深くまで仕舞い込む乾こうとする夜中の魚を(金田光世) 去ることをとへば遅れてうなづい…

昨日のマルタ戦は残念でした。本大会での復調を期待します。 HDDレコーダーを購入して準備は万端です。どんとこいW杯。 土曜日に『豊作』4号が到着しておりました。ぼちぼち読んでおります。 週末にはなんとかする予定です。

『曳舟』(吉川宏志)曳船―吉川宏志歌集 (塔21世紀叢書 第 80篇)作者: 吉川宏志出版社/メーカー: 短歌研究社発売日: 2006/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

十首選 紙のいろ黄なる本なりこの町の人々死ねばコーランが遺る 才能は過ぎ去るものを 「才能を愛す」と書きしクララ・シューマン ことことと音するごとし仏壇のなかの小さな金の欄干 髭のなき教団として生き延びる白衣の群れにまじりゆくのか 声にならず地…

昨日いただいた歌集は、京都の北白川西町宛から転送されてきました。3つ前の下宿の住所です。感慨深いものがありました。 おそらく、いただいた歌集発行元の出版社が主催する新人賞に応募したことがあるので、 この下宿に住んでいるときのものがデータベース…

Bob Davidsonというアメリカ人が、今日、とある野球の試合をぶち壊しにしてしまったことに怒り狂っております。

またしても関係ない話で恐縮ですけど、『クライム・マシン』(ジャック・リッチー)クライム・マシン (晶文社ミステリ)作者: ジャックリッチー,Jack Ritchie,好野理恵出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2005/09/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 12回この…

『白樺たちの大正』(関川夏央)白樺たちの大正 (文春文庫)作者: 関川夏央出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/10/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (16件) を見る

歌集ではありませんが関係は深いと思いますし、おすすめですので紹介を兼ねて書いてみます。 最近めでたく文庫に収録された『白樺たちの大正』は、関川夏央が武者小路実篤の半生を軸に据えて大正時代の文壇ひいては世相を再構築してみせた書です。 木下利玄…

『豊作』第三号

昨日着いていました。ありがとうございました。別の本を用意していたのですが、こちらを先にします。 岩の窪はひかり集めてつまらなしあの人はもう書かないのです(澤村斉美) 跳んでいるからにはむかしいたのだろう卵のなかに殿様蛙(柴夏子) どのくらいジュー…