『連歌とは何か』(綿抜豊昭)連歌とは何か (講談社選書メチエ)作者: 綿抜豊昭出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/10/11メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (12件) を見る


やや旧聞に属するかもしれませんが、上記のような本が出ていたので報告します。
連歌に関しての本はほとんどないのが現状でしたが、講談社選書メチエからの出版であり、
また比較的廉価でもあり、待望の書といえるかもしれません。


内容はやや固く、記述は連歌の歴史に偏っています。実践や読解・鑑賞を目的としたものではありません。
よって、読み物としては退屈な印象を持ちますが、資料として手元におくのはいいかもしれません。


不満な点として、「なぜ連歌がすたれたか」についての考察を省いていることが挙げられます。
一応、江戸期に幕府御用達になったことが連歌の形骸化を招いた、との記述はありますが物足りません。
特に、現在我々が遊びでやるようないわゆる「歌仙を巻く」行為は、連歌ではなく連句と呼ばれていますが、
wikiの記述*1によると、連句連歌の簡便・普及版であると理解できるようです。
どうも、このあたりの連歌から連句への移行にカギがありそうなのですが、この点に関する記述は乏しく、納得できないところであります。


ともあれ、入門書としてはペイすると思いますので、一度目を通しておくのは良いかもしれません。すぐに読める程度の厚さでもあります。