2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『はじめての宗教論』右・左

『はじめての宗教論』右・左はキリスト教神学入門書。 新書。 最近ハマり気味の佐藤優の本。 右巻が最初で「見えない世界の逆襲」 左巻が次巻で「ナショナリズムと神学」 のサブ・タイトルがついている。 サブ・タイトルの与える印象とは反対に、 右巻のほう…

『日本代表の冒険』

『日本代表の冒険』はノンフィクション。 2010W杯のさい、サイト「スポーツナビ」で連載されていた 宇都宮徹壱『日々是世界杯』を新書化したもの。 傑作。 『日々是世界杯』は毎日日本時間午後一時ごろ更新されていたので メシ喰ったあと毎日見るという生活…

『盛岡さわや書店奮戦記』

『盛岡さわや書店奮戦記』はインタビュー集。 傑作。 伊藤清彦という「カリスマ書店員」が東京の書店で修行を積み、 故郷の岩手に帰ってきてその辺の普通の本屋だった「さわや書店」を ミラクルに変貌させたいきさつを述べたもの。 本の内容を述べるより、私…

歌集『反射率7%』(向山文昭)

歌集『反射率7%』(向山文昭)は先週いただきました。 ありがとうございました。 10首選 エンジニアの終の仕事と選びたりし知的財産特許技術者 久里浜をゆっくりフェリーは動き出し船内テレビが乱れ始める トコトコと地表耕しふと想う火星に行きし探査機のこと…

歌集『あの日の海』(染野太朗)

歌集『あの日の海』(染野太朗)は先週いただきました。 ありがとうございました。 十首選 値踏みする母たち ぼくは黒板に連翹の花の写真を貼った 勝ち負けにこだわるぼくの背後にて建設中の高層マンション そんな歌じゃ野次馬たちのケータイに勝てないねえと…

『身体のいいなり』

『身体のいいなり』はエッセイ。 著者は某作品でスマッシュヒットを放ったノンフィクション作家であるが、 当時の状況は凄まじいものであったことを告白しており なまじっかな覚悟では向き合えない「闘病記」に仕上がっている。 作者は乳癌ステージIと診断さ…

『世にも奇妙なマラソン大会』

『世にも奇妙なマラソン大会』はエッセイ。 エッセイストの高野秀行の新作。 高野がネットを見てたらサハラマラソンというものが開催されていると知り ほんのちょっとした好奇心から応募してみると さっそくメールが帰ってきて、「マドリッドで集合だ!」、…

『日米開戦の真実』&歌集『いのち』(宮崎信義)

『日米開戦の真実』は評論。 戦前日本のイデオローグだった大川周明の著書 『米国東亜侵略史』『英国東亜侵略史』を再掲し、 それに対して佐藤優が別章立てで解説をする。 大川のロジックはわかりやすく、 戦前の日本人が開戦を選んだエートスがよくわかる。…

『きことわ』&『苦役列車』

文藝春秋2011・3を購入。当然、芥川賞掲載号だからであり、 それ以外にこの雑誌の存在理由は存在しない。 くだらん駄文*1を連ねるばかりの馬鹿な雑誌であるが、 芥川賞受賞作掲載号だけは買い続ける所存。 ・『きことわ』(朝吹真理子) 貴子と永遠子がダブル…

『私のマルクス』

『私のマルクス』(佐藤優)は自伝。 傑作。 1970年代後半から1980年代前半まで、 佐藤優が浦和高校生・同志社大学生だったときの青春の記録。 このころにはまだ学生運動の燻りが残っており、 特に同志社はガラパゴス的な拠点になっていたらしい。 佐藤は神学…

歌集『地の世』(竹山広)

歌集『地の世』(竹山広)は先週にOさんより譲っていただきました。 ありがとうございました。 十首選 暗黒の中ひそかなるよろこびありあくびのあごのすぐに座りて 足の爪手の爪ともに切り飛ばす師走の縁の光のなかに 路上よりきこゆるは文明の音にして三階に…