『私のマルクス』
1970年代後半から1980年代前半まで、
佐藤優が浦和高校生・同志社大学生だったときの青春の記録。
このころにはまだ学生運動の燻りが残っており、
特に同志社はガラパゴス的な拠点になっていたらしい。
佐藤は神学部に属し、キリスト教神学を専攻しながらも
当時の教養としてマルクス主義の文献を読み込み、仲間と語らう。
凄まじい知的活動量であり、広さ・深度ともに圧倒的である。
尊敬に値するし、自分の大学時代を顧みて、恥じた。
わずか十五年しか世代は変らないのに、この差はどうだ。
信じがたい思いがする。
佐藤は最後に、「過去にマルクス主義者であったこと」はなく、
「行動の規範は、あくまでもイエス・キリストである」と述べる。
宗教がもつ強靭さには恐るべきものがあるとしか言い様がない。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/12/10
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