2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧
『奥州藤原氏』は新書。 名作。 奥州藤原氏についての基本知見を述べる。 構成に茶目っ気があり、まず最初に奥州藤原氏の滅亡、をドンと置き、 ついで奥州藤原氏百年について記してゆく。 前九年・後三年役から語りおこし、 源氏(河内源氏)にとって奥州が如…
バーで飲んでいたら、隣の客がカンパリ・ソーダを頼んだ。 隣の客は二人連れで会話に夢中になっている様子、 私は本から眼を上げてバーテンダーを注視した。 彼(バーテンダー)は、おそらくは適度な状態のグラスに、 おそらくは適量かつ適切な水由来の氷をい…
『子規は何を葬ったのか』は評論。 「空白の俳句史百年」の副題付き。 江戸期の三大俳人、芭蕉・蕪村・一茶は、まあ普通の教養人なら誰でも知っているはずである。 ところが、一茶ののち子規登場まで約百年の期間があるのだが、 名を挙げるべき俳人を誰も知…
今日で地震から半年が経ったので、つらつら思うところを述べる。 原発災害について 日本人は、戦争でも天災でも、忘れることで前進してきたが、今回ばかりは無理。 炉は溶け落ちて回収不能、封じ込めも手付かず、現状維持のための冷却システムの一時確立に数…
歌集『一匙の海』(柳澤美晴)は今日いただきました。 ありがとうございました。 十首選前髪の触れ合わぬ距離にきみはいて無菌操作のあやうさを言う 生卵るいるい飲み干す父親を水たまりのごとく避けて暮らせり 膝頭さやさや見せて逢いにゆく日は薄羽のスカー…