花山多佳子『晴れ・風あり』
秋にいただきました。
ありがとうございました。
10首選(☆1首選)
われわれの世代のやうにアジることなきゆゑ湯浅誠を信ず
われら団塊世代の親のおほかたは大正年間の生まれなるべし
遊びに出るこどもをよろこぶ感情を二十七歳のむすめに未だ持つ
霜月を儚く清きおもざしに連行さるる小室哲哉は
つづまりは妥協を余儀なくされるゆゑハンストはするなと祖父の言ひゐき
黄葉のいちやう並木の道ゆけば顔から眼鏡がすつと落ちたり
ゴミ出しに行くたび見上ぐ陸橋の柱に描かれし梵字のごときを
誰よりも深き力を湛へたる大人とならむ子供たちが居り
☆こまごまと被災手続きするために思ひ起こすは苦しくあらむ
バブル期の息子の果てなき欲望の形見なりけりガンダムカードは
以上です。