2010-01-01から1年間の記事一覧
『HER』はマンガ。 このマンガがすごい2011一位(オンナ版)。 6人の女性の生活と意見。 なかなかに生臭い。 生臭いのが好きな人と説教されたい人にはお勧め。 私はあまり好きではなかった。 だって、ろくな男でねえんだもん。 ちょっとアンフェアだよなあ、と…
『卵をめぐる祖父の戦争』は小説。 このミス海外3位。 傑作。 舞台はレニングラード包囲戦さなかのレニングラード。 食物が払底するなか、飢えで苦しむ主人公15歳(男)は、ある失敗をしてしまい、 銃殺刑に処せられそうになる。 が、ソ連軍大佐にある条件を与…
今日ぐらいは世界が平和でありますように。
ミステリ。このミス3位作品。 七ヶ国語を操る語学の達人・斉木が探偵役の連作短編集。 斉木は世界の各地で様々な謎に立ち向かう。 高潔な文体が魅力的。 本書は五編の短編からなるが、 第五回ミステリーズ!新人賞を受賞した「砂漠を走る船の道」が 小説とし…
歌集『薄い街』(佐藤弓生)は今週初めにいただきました。 ありがとうございました。 十首選 透明な指たちにぎりあうまひる春の墓場の花のこみちに 背後から乗られて吐いた春の気の これが亀鳴く声なのかなあ もうながいこと逆立ちをしていないあたまつっこむ…
『のだめカンタービレ』#25は最終巻。 みんなでオペラをして、くっつくべき人々はくっつき、大団円。 一時代を作り、綺麗に終了。 少女マンガのほうが後味いいのはなぜだろう。 (KC KISS)" title="のだめカンタービレ(25) (KC KISS)">のだめカンタービレ(25)…
http://www.norway-mori.com/index.html 観てきました。 以下、映画未見のかた、原作未読のかた、ネタバレしてますのでご注意ください。 よござんすね? 基本的に良かったと思う。 ショートカットが多すぎて、原作を未読もしくは一読ぐらいのかただと 何がな…
今年もお待ちかね、このミス発売である。 今年はベストテン中、 日本は一位、四位、六位の三冊、 海外は一位、四位、七位、九位の四冊が既読であった。 骨無しミステリ読みの面目躍如といった成績である。 まあ、一位は下馬評でなんとなくわかるもんで。 読…
盛岡にはプリン大王という芸術家がいて、絵も描けばプリンも作っている。いまそのプリンを食べて休憩中。 こんなふうにプリンをどこかに入れた絵を描くことを信条としていらっしゃる。 プリン同盟というのもある。
歌集『はるじょおん』(荒井直子)は今月初めにいただきました。 ありがとうございました。 10首選 笑い声 ハ行変格活用の「エヘヘ」が君には一番似合う お向かいの席の人がいじわるなのかやさしいのかも見分けられない 「建ぺい率」とか言っとけば気に入って…
山下達郎ってやっぱり凄いわあ。 Jリーグ優秀選手賞 http://www.j-league.or.jp/awards/2010/playerlist.html 格好いい写真ばかり。
ミステリ。傑作。 漱石の『坊っちゃん』の続編として書かれる。 『坊っちゃん』から三年後、「坊っちゃん」は自分が東京へ帰ったその日に 「赤シャツ」が自殺したことを知る。 何かがおかしい、と直感した「坊っちゃん」は 「山嵐」と共に再び四国へと戻るの…
後水尾天皇の評伝。面白かった。 まだ徳川幕藩体制が始まったばかりの家康末期-家光の時代を生きた天皇・院。 京都に「寛永文化」を創出せしめた天皇で、 「後鳥羽院以来」の歌好きとして知られる。 二千首ほどを残しているらしい。 そのほか、修学院離宮を…
SF。ハインラインの書いたジュブナイルSFだそうだが どうしてどうして大人の鑑賞に十分耐える。 近未来では恒星間移動には時空間ワープを起こす「ゲート」が使用され、一般化していた。 主人公はスクールの科目として、詳細を伏せられた惑星でのサバイバルを…
ミステリだがミステリを越えた何か。 主人公は20年ぶりに生まれ故郷の田舎町に帰ってくる。 主人公の弟が行方不明になったのも20年前だ。 そして今、誰かが弟と誰かもう一人の骨を、玄関先に置いていく。 一体20年前何がおこったのか?今何がおこっているの…
これで石黒正数作品はコンプリート。 『アガペ』は『パトレイバー』などと同じく警察マンガのジャンル。 警察内に対犯罪者ネゴシエーター組織が設立され、 そのメンバーとして犯罪者に「100%の愛」(アガペ)を持つことのできる人物が探索された結果、 主人公…
歌集『X 述懐スル私』(岡井隆)は先月初めにいただきました。 ありがとうございました。 10首選 つどふ人なべてわれより若ければランプの芯を細めつつ座す 学説の雪ふかけれど未知未踏なればこそ行け学究なんだろ どこからか女人(にょにん)のかげの射(さ)すあ…
歌集『初めての』(苅谷君代)は先月初めにいただきました。 ありがとうございました。 10首選 執刀の医師の握れるメスの先ほのかに見えて切り開かるる目 水晶体の濁りを砕きしのちの眸(め)に映る空あり初めての 答案用紙に目を擦りつけて採点すかかる姿勢は人…
歌集『ナナメヒコ』(村松建彦)は先月初めにいただきました。 ありがとうございました。 10首選 身をもって事物を測る尺取り虫こんくらいか・う・こんくらいか・う あまりにも月しろしろき道ゆえにいたちのおやじ草間にたじろぐ 髪の毛のうすき形が兄弟のあか…
本格ホラーミステリの傑作。首無し死体が山盛り。 途中で思考を放棄して読むことのみに集中。 前代未聞のトリック。例えるなら、首で撞球をしたというべきか。いやはや。 首無の如き祟るもの (講談社文庫)作者: 三津田信三出版社/メーカー: 講談社発売日: 20…
歌集『十月桜』(岡本幸緒)は9月末にいただきました。 ありがとうございました。 10首選 夕暮れが東京駅にさしかかる ふるさと行きに間に合う時刻 緑なき病院屋上陽を浴びて死にたくなるよ盛夏八月 柔らかになりたしわれもたまねぎもキャベツも春の生まれであ…
青春ミステリ。ちょっとパンチ力に欠けたかな。『駅神』のひとの若書きで、なんとなく未熟さが目立つ感じであった。晩夏 (創元推理文庫)作者: 図子慧出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/10/28メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (10件)…
旧家赤朽葉家の女系三代記。『百年の孤独』の香りが漂う。 千里眼の祖母・万葉、レディースで漫画家の母・毛鞠、語り手のニートの孫・瞳子が紡ぐ、山陰地方の町の栄枯盛衰が本書。最後に突然ミステリになるところがユニーク。例えば『シンセミア』みたいにす…
硬派歴史ミステリ四編。「漂流巌流島」「亡霊忠臣蔵」「慟哭新撰組」「彷徨鍵屋ノ辻」。いずれも”チャンバラ”に関わるものである。四編ともよい出来。特に、「慟哭新撰組」は学ぶところが多かったし、「彷徨鍵屋ノ辻」は四編の中で一番知名度の劣る事件にも…
京大短歌16号は今月初めにいただきました。 ありがとうございました。 すこしずつ会員数が回復しているとのことで喜ばしい。 一人一首選 大学の北と南に住んでいて会っても会っても影絵のようだ(大森静佳) まっしろな栞を本にしずめつつああそうだよね、そう…
12月の映画公開に向けて予習。 この年になって読むと、いろいろと思うところが違う。 ポルノっぽいと思っていたところもたいしたことはないし、 学生運動をコケにしていることも今回はよくわかった。 これは叩かれるよなあ。 インタビュー集で6人中3人は死ぬ…
時間SF。舞台は19世紀ロンドン。狂言回しとしてH.G.ウェルズが登場する。始めはアンチSFなのかなと思いきや最後はSFになるという変わった作り。スペイン系の作家のせいか、英米系とは一味違う作り。出来はまあまあだった。時の地図 上 (ハヤカワ文庫 NV ハ 3…
半のらねこのフルットと半飼い主の鯨井先輩が主人公のマンガ。フルットがたいへん愛らしい。木曜日のフルット 1 (少年チャンピオン・コミックス)作者: 石黒正数出版社/メーカー: 秋田書店発売日: 2010/10/08メディア: コミック購入: 17人 クリック: 322回こ…
歌集『心音(ノイズ)』(柚木圭也)は先月末にいただきました。 ありがとうございました。 十首選陽を浴びて空のもなかに伸びゆけるビルの裏側いつも見えない 「小杉平一」でふ表札あはれ日の丸は風死したれば地に靡きをり 自転車で走り抜けるとき春泥はあるや…
異次元な領域に達したマイナーマンガのレビュー集。アタマがクラクラすること請け合い。なんだ!?このマンガは!?作者: J君出版社/メーカー: 彩図社発売日: 2010/10/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 51回この商品を含むブログ (13件) を見る 『ナイト&…