トロイメライ(島田虎之介)


トロイメライ

トロイメライ


島田虎之介の最新作を読みました。
おそらくは幕末の剣豪からとったペンネームを持つこの漫画家は、
マイナーではありますが、画・ストーリーともに現代日本屈指の存在だと思います。


呪われたピアノを巡るこの物語は、カットバックの多用により時代・空間を跳びまわり、最終的に2002年W杯開催中の東京に収斂していきます。
また、版画を模した特徴的な画は、映画を意識したと思われる横長のカットで展開され、極めて印象的。
この手のマンガは(ガロ系とでもいうのかな?)大抵頭でっかちになりがちなのですが、
そうはなっておらず、ある種のクサ味も最低限に抑えられていて素直に楽しめるところもポイントです。


ともかく、読んで損はないですよ。