『シッコ』(マイケル・ムーア)


http://sicko.gyao.jp/


マイケル・ムーアの最新作を見てきました。渋谷で封切初日の土曜日でしたが、入りは6割程度。
テーマがアメリカの保険制度というローカルなものであるせいですかね。
華氏911』のときはわざわざ吉祥寺まで行って、それでも30分並んだんですが。


今作はムーア自身があまり画面に登場することがなく、
十八番の胡散臭いパフォーマンスも限られていて、
やったとしても本人も周囲もネタとして認識しているのがアリアリとわかるようになっていました。
つまりはそれをウリにせずとも、いかにアメリカの民間保険制度が酷いか
についての「タマ」が有り余っているか、ということだと思います。
また、カナダ、イギリス、フランス、キューバの制度を批判なく持ち上げているのは、
そのツッコミどころを確保している作りからして良心的というべきだと感じました。
いろいろ言いたいことはありますが、今までで一番「上手い」ムーア作品だと思います。
ヒラリー・クリントンに対するプレッシャーのかけかたも含めて。


日本の制度もいろいろと軋んでおりますね。
アメリカ・ローカルなネタではありますが、公開のタイミングといい、
日本固有の文脈にももしかしたら影響があるかもしれません。
ともかく、『華氏911』よりはデート向けの映画でした。面白かった、ということです。