日本ファンタジーノベル大賞


天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語

天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語


冬の風物詩日本ファンタジーノベル大賞受賞作を読了。
明治から昭和初期の期間を巧みにカットバックしながら、
ミステリアスな建築家と建築に関わった人々を描いた連作短編。佳品。
構成なども含め『世界の果ての庭』にやや雰囲気が似ているが、
日露戦争や金融恐慌などの史実を巧みに絡めてあり、
現実感を喪わせるような感覚を前面に出しているわけではない。
梨木香歩が好きならばお勧めである。