『レッド』(山本直樹)
- 作者: 山本直樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09/21
- メディア: コミック
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連合赤軍あさま山荘事件のマンガ化作品。
まだ一巻で序盤ですが、非常にいいです。お勧め。
青春群像劇に徹しており、思想云々などよりも若者の体臭がします。
その辺はエロマンガ出身の作者にはおてのもの、なんでしょうけど。
私は生まれていなかったので実感はゼロなのですが、
ポジションとしてはオウム事件みたいな感じなんでしょうか。
こんなこというと怒られるかもしれませんが。
主犯の一人である坂口弘が獄中で短歌を作った、
というのは少し興味深いです。
『黒衣の短歌史』を読んでいたら中井英夫が
以下のような大宅壮一の記事の引用をしていました。
将軍だの戦犯だのが牢獄に入ると必ず短歌俳句を作り始めるのはつまり雑草が生えるのと同じ事だ。しかし万人の文学というものは必ず此の”生える”性格を持っているので、それを第二芸術などという奴は気の毒という他はない
この引用の意味するところはアンチ第二芸術論なんですが、
私が引っかかったのは前半でした。
坂口弘や戦犯が作ったのはどんな歌だったんですかね。
呪詛の歌?悔悟の歌?思想詠?抵抗詩?
家族詠あたりも混じるんでしょう、きっと。
「罪人」と歌、というのは万葉集のころから親和性があるのだし、
短歌の本質のひとつなのかもしれんなあ、と秋の夜長の戯言でした。