トウキョウソナタ


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トウキョウソナタ、ようやく観てきました。
邦画では今年一番。
東京の壊れた家族についての物語。東京で家族といえば、これはもちろん小津の東京物語が意識されている。
以下ネタバレ。

  • 香川照之小泉今日子は実にいい役者である。小泉今日子は予想以上。ヤンキーの血が出てくるところが特によい。
  • リストラされた香川が最終的にたどり着くのは巨大ショッピングモールの便所である、というのが極めて今日的。
  • 今日的といえば、イラク戦争絡みはややスベリ気味ではあったが、例えば学級崩壊のシークエンスは手際よく、時代のログを映画に刻み込もうという意欲に溢れていた。
    • そして、その試みはおおむね成功しているのではないか。
  • ひとが自殺で何人か死ぬが、人伝だったり轍だけだったりして死体を見せないのは、これは日本風というか。
    • 銃社会だったらあっさり弾けているストーリーが、往生際悪くじたばた続く。この閉塞感が日本の現代の無意識そのものであり、それを映画で表現せしめたのは素晴らしい。
  • 見知った場所でロケをしていたらしく、そこはちょっと焦った。