『将棋の子』

『将棋の子』はノンフィクション。
講談社ノンフィクション受賞作。
傑作。


プロ将棋界には鉄の掟がある。
プロ四段になるには、奨励会三段リーグを突破しなくてはならない。
そして奨励会には年齢制限がある。
どんなに才能のある人間でも、どれだけ将棋に打ち込もうとも
年齢制限以内に四段になれなければ、奨励会を放り出される。
将棋の強さなど、一般社会ではほぼ価値はない。
人生がいったんそこで終了してしまうのである。それも神童と呼ばれてきた彼らが。


著者の大崎は『将棋世界』の編集者として、将棋界から消えていくものたちを見てきた。
そして成田英二という青年を主人公にし、この過酷な世界を描ききった。
人生の光と影を、凄まじいコントラストで示すノンフィクションである。


将棋の子 (講談社文庫)

将棋の子 (講談社文庫)