『青い星まで飛んでゆけ』

『青い星まで飛んでゆけ』はSF短編集。


作者の小川一水は、現代日本SFを背負って立つ存在である。
伊藤計劃が生きていたら、と思うが、それは言ってはいけないことですね。
私は円城塔冲方丁や西浩紀は嫌いなので、貴重な存在です。野尻抱介がマジメに書いていればなあ。


本作は6編のSFからなる。いずれも一筋縄ではいかない作品であり、
現代日本SFの良心的水準作といってよい。


ひとつひとつ言うときりがないのだが、
俗的には『占職術師の希望』、SF的には『青い星まで飛んでゆけ』が屈指だと思った。


前者は、これだけでラノベあたりならシリーズものにして10巻越えてくるレベルの完成度を誇り、
後者は、SFに慣れた人間でないと始めからついていけない仕組みになっている。
オーバーロードがでてくるあたりがクラーク的なのかもしれないが。


なんにせよ、もう小川一水しかいないのだから、頑張って欲しいものである。
まあ、山本弘もいるか。



青い星まで飛んでいけ (ハヤカワ文庫JA)

青い星まで飛んでいけ (ハヤカワ文庫JA)