めしばな刑事タチバナ#1

めしばな刑事タチバナ』#1はマンガ。
傑作。


諸君。
われわれは皆ソウル・フードを持っている。
ソウル・フード。魂が求める食べ物のことだ。


それは当然、安い早い多い、食べ物だ。
カネのない学生のころ、むさぼり喰った、あれらのことだ。
けして、寿司や焼肉や、ふぐやすっぽんや、フォアグラやキャビアのことではない。
そんなものは、この世になくてもかまわない。
必要なのは、われらの魂の飢えを満たすものだけなのだ。。。


というわけで、B・C級の食べ物についてひたすらウンチクが語られるのが
本書『めしばな刑事タチバナ』である。
吉牛・松屋すき屋の牛丼はどこが一番旨いのか、とか
インスタントのサッポロラーメンで一番旨いのは、しょうゆか、みそか、しおか、とか
立ち食いそばで一番旨いのはどこのチェーンのなにソバか、など
超どうでもよい、しかし、殴り合いをしても決着がつかない恐るべき話題がてんこもりなのである。
私はこれまで、出版されているほぼ全てのグルメマンガを読んできたが、
本書は圧倒的にすばらしい。このまま続けば、憎き皇帝『美味しんぼ』を
総合力で叩きのめすことのできる可能性をもった、ひさびさのプレイヤーであろう。
原作者の坂戸佐兵衛は天才である。


私は場末の定食屋でど三流週刊誌アサヒ芸能を読みながらニラを食っているときに
初めてこのマンガを読んだ。
その時の回は、出張のとき新幹線で酒のあてに何を買うか?という
人生の根源に迫る大論争であった。
衝撃だった。
その回はこの第一巻には収まっていないので、今後のお楽しみ、ということなのであろう。
その後ようやくタイトルを思い出し、第一巻が発売されていることを発見し、
アマゾンでこのたびようやく手にいれたのである。


皆様、お勧めでございます。