短歌甲子園

8/24-26と、短歌甲子園の審査員をいたしました。
きちんとしたご報告は来週掲載予定の「詩客」でおこないます。
このブログでは、コネタ的話題を披露いたします。

  • 120824


開会式は啄木の生まれた旧渋民村でおこなわれた。
現在は合併して盛岡市である。
盛岡市の北部にあり、中心部からは結構ある。
ちなみに、啄木生誕時は「日戸村」といった。
こちらのほうがいい名前ですね。


それで、開会式のまえに、啄木記念館に行きました。


これが正面。
で、中身は、まあまあかなあ。
展示物はわりと充実、ただし、本棚とかは無意味なので片付けてもいい。
建物や周囲には工夫の余地あり。
まあ、実は何も知らないくせに、自治体がミカケだけ立派にしたような
他の歌人の記念館よりは私好みでありました。
なぜか小黒さん受賞の「歌壇賞」号だけが置いてあって、しばし見入る。


んで、啄木の借金願の手紙が晒されていて、唸る。
写真は別の手紙だけど、定規を置いて字を書いたのか、
下手な字なのにきっちり書かれていて、
本質的に几帳面なひとだったのだなあ、と思う。
朝日新聞の校正係だった啄木だが、結構向いていたんだと思いますね。


それで、歌のネタを拾いつつ開会式へ向かいました。


開会式の写真とったと思ったが、なかったので割愛。
スピーチはなかなか聞かせた。
盛岡市の副市長さんがナイスガイであった。


そのあと、団体戦の予選抽選会がある。
フダが啄木の写真を用いたもので、
シードの前回優勝校が啄木の「顔のフダ」
準優勝校が啄木の「銘のフダ」という
細かいところの配慮があり、素晴らしい。盛り上がる。
こういう気の届きかたが、実はとても重要なのである。
使ったカネの嵩では測れない部分ですね。


開会式のあと、学生さんたちはバスで盛岡市内へ。
啄木ゆかりの地を巡りながらの吟行だそうである。
うん、凄い。
私は吟行苦手で、
それはまあ、たぶん師匠譲りである、と勝手に思っているのだけれども、
つまりはウソつきたくない、ウソついてもバレるということですが、
短歌というのは場の文藝なので、
座芸みたいなものができないと仕方のないところはあります。
私も昔よりマシになったけど、ぜんぜんですわ。


んで、夜メシご一緒して散会。
次はディープ盛岡にご案内いたします。

  • 120825


今日は団体戦の予選。
場所は盛岡市中心部。
三校が巴戦をして、一校のみ決勝トーナメント進出。
ただし、敗者復活枠が二校もあり、予選負けの高校も最終日にお客さんにはさせないよ、
というレギュレーション。
よく考えられています。



こんな感じ。
スタッフがパソ駆使していて、ソフトも自分たちで組んだんだと思う。
写真に写ってんのは皆スタッフですね。前のほうには座らない感じ。
テレビカメラは、最後列と多分二階から3角度で撮影。
遠くからアップで撮るのが基本みたい。
最終日には、ハンディ持ってる記者っぽい人が結構いた。
あとで、切り出して写真的に流用するんかな、とか。
いつもならすかさず質問していたと思うけど、今回は流石に自重しました。


んで、歌合わせソフトの完成度は素晴らしい。地味に凄いよ、これ。
外注かな?
でもまあ、とても良い出来だった。
塔の全国大会とかでも、ライセンス契約で使わしてもらえば面白いな、と思いました。


予選終了後は、ホテルで懇親会。
さんさ踊りを地元の高校生が踊ってくれて、めちゃ上手い。
笛とか難しいだろうに、凄い。
そのあとは、お楽しみの、わんこそば大会。
一人一分で計三分の間にどれだけわんこそばを食べられるか勝負。
そこは高校生なので、物凄い食べてた。
皆さん、スイッチが入ったようになり、大盛り上がり。
さらにサプライズで、特別審査員の小島ゆかりさんが、体調を崩した子の代打で助っ人登場。
ノリノリで、めっちゃ食べてはりました。
ご本人の了解をいただけたので、ここに書いています。
歌集もいただきました。ありがとうございます。
他にも学生さんや引率の先生とお話しして楽しかったです。
学生さんの、良い思い出になっていただけたら嬉しいですね。


写真は、わんこそば大会という戦場に臨むにあたり、
おそろいのTシャツを着て気合を入れる戦士の背中。


んで、懇親会は当然アルコールなしなので、
その後は大人の時間。
ひさびさにワインをいただきました。
酒は控えているんだけども、これは飲むべし。

  • 120826


今日は決勝トーナメントである。
われわれ審査員も気合が入る。
私は朝めしを食べる暇がなかったので、
スタッフにぱしりをお願いして、コンビニでおにぎりを二個買ってきてもらった。
ありがとうございます。助かりました。


本大会で一番感心したのは、
スタッフの皆さんが素晴らしかったことです。

この写真、ちょっとわかりにくですが、扉に張り紙がしてあるのですね。
この部屋は楽屋にあるスタッフルームで、
張り紙は「部外者立ち入り禁止」、
なのですが、それを実は短歌で表現してあるのです。
これが賢治みたいな短歌で、なかなかよろしいので、
嬉しくなって撮ったら、作った御本人からお話を聞けて
なんでも毎年、この「短歌張り紙」を張るのが伝統で、今年は評判がよくない、とのこと。
いやいやいや、とても良いので、あなたも歌をやればよいんですよ。
こういう「遊び」ができるのは、本物の証明、みたいなもので、
盛岡の底力を感じた次第。
言い忘れていましたが、司会は全員盛岡近郊の高校生たちで、
たぶん放送部員が立ち替わりやっておられました。
もの凄く滑舌や発音が上手かったです。
機転も効いていて、大人びていました。


そして朝早くから始まって午後遅くに決勝のクライマックス。
満員になった会場で、1-1になったあとの大将戦での決着。
見事、小牛田農林高校が勝利。
いや、普段は斜に構えているおっさんも、素直に感動しました。


というわけで、短歌甲子園終了。
みなさま、お疲れさまでした。