それでも日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだ

『それでも日本人は「戦争」を選んだ』(加藤陽子)は
中高生向け語り下ろし教科書。
でも、大人が読んでもたいそう面白い。


正直、タイトルはダメ。
このタイトルだと買わないやつはいっぱいおる。


本書は日清戦争あたりからさかのぼって、
なんでアメリカかと戦争するに到ったのか、
というお話をするわけだが、
いろいろとフェアなので、信頼してもいいと思います。
受験で日本史・世界史とる子はこれ読むとかなり得するんではないかなあ。
現在からみると、過去は一本道のように見えるけれども
実はそうではございません、というのが主眼のひとつ。
帝国軍のプロパガンダが、当時の政治勢力のなかでは最も社会公正を標榜していた、
というのは皮肉が効いていて面白い。


短歌的には釈迢空の取扱いがわりとあって、
なるほど、目配りが素晴らしい、と思いました。