『金の仔牛』(佐藤亜紀)

金の仔牛

金の仔牛

『金の仔牛』(佐藤亜紀)は小説。
傑作。


ミシシッピ計画
*1を背景に
一攫千金を狙う若く美しい恋人たちと、とりまきの有象無象どもを描く。


ルノーは元は追剥出の気の良いおにいちゃん。若くイケメンで頭の回る青二才。
ニコルは修道院から脱走してアルノーとくっついたおねえちゃん。若く素晴らしい美貌の小娘。


ルノーを手駒に、大儲けをたくらむ謎の紳士や
ニコルに横恋慕する変態公爵、
ルノーを殺したいニコルの親父、
たぶん、本作で一番賢いニコルのおかん、
三人の運命の魔女ならぬ、三つ子の金貸し老人、
その他おおぜいの目論見とうなりをあげる大金の海の中を
ルノーとニコルは快進撃を続ける。


最高です。
季節の移り変わりの描写が素晴らしく、
とてもエンタメをしていて、書かなくてもいいところまで親切に書いてあげているのに
いつものごとく品がある。
堪能しました。