『99%対1% アメリカ格差ウォーズ』(町山智浩)

99%対1% アメリカ格差ウォーズ

99%対1% アメリカ格差ウォーズ


米国大統領選も終わったのでご紹介。
子ブッシュ以降、アメリカで貧富の差がいかに広がったか、
あるいは福音派がいかに共和党に侵入しているか、
平気で憎しみを煽る言説が流されているか、
というエピソードで満載。


それもトンデモ系の話が目白押し。


普通に読んでいれば、これはオバマ支持の本で、偏見なく読まねば、
とは思うが、
もし町山が「ウソついている」とすると、
その「ウソ」を生みだす想像力の非凡さにおいて、町山は文学的天才であるということになる。
日本語使いにおいて、文学的天才なぞ半世紀に一人出れば十分であり、
ゆえに、ここに載っている話は、留保つきで、ある程度真実なのだろう、
と考えた方が無難だ。


読み物とすると、この本は面白い。
文章は痛快で、説教臭くなく、きちんとフェアであり、
事象の切り口をみつけるのが見事。
お勧め。