『大坂の陣と豊臣秀頼』
- 作者: 曽根勇二
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本
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関ヶ原合戦以降の、徳川政権による西国支配戦略、その要となる大坂「首都圏」の奪取を背景に
大坂の陣を記述する。
読了すれば、たいへん面白かったわけだが、なんというか構成が悪く、
最初のほうではかなり挫折しそうだった。なにしろ、
すでに江戸や駿府の地が「首都」機能を有していたとするのは早計である。家康や秀忠は、秀吉政治を継承する人物として期待されていただけに、すぐにも伏見や大坂を軽視するわけにはいかなかったはずである。
という大事な文章が、なんとエピローグで出てくる。
著者には自明だが、読者には必ずしも自明ではない発想がばんばん前提として出てくるので、苦労した。
しかし、苦労には見合う本であることは疑いない。
この本を読んで、最大の疑問として生まれたのは、
ということで、戦国時代の延長・総決算だから戦うのはあたりまえ、という発想ではなく
考えられるのは、大陸侵攻の失敗絡み、東アジア秩序の変動、というところなのだろうなあ、
なども妄想した。
ともかく、大阪に行くことがあったら、大坂の陣所縁の地に行きたい。
真田幸村が地雷を仕掛けて、家康を今一歩で爆殺するところであった平野など、候補。