現代詩手帳6月号


現代詩手帖 2007年 06月号 [雑誌]

現代詩手帖 2007年 06月号 [雑誌]


特集が『岡井隆全歌集』完結記念討論会。思潮社刊だと、現代詩の雑誌で歌人の仕事を詩人や俳人が検討するという面白いことがおきます。
同じく言葉を操る業界の人々であってもフィールドの違いは否めないので、言説の方向がずれていたり、遠巻きだったり、あるいは自分のテリトリーにひきずりこもうとしたりと色々と手管の使い方が興味深いです。むしろ場に歌人を呼びすぎかな。思いつくままに綴ったように見える巻頭の吉本隆明の文章は典型的な年の功でした。
ほかには、採録されている岡井隆公演「飯田龍太さんの死に思うこと」が面白かったです。また、平田俊子「二ヵ月後の感想」にはあやかりたい文章であるなと思いました。


もうひとつの特集「犬塚尭を読む」が拾い物。初めて読んだ詩人の作品でしたが、想像力が理系っぽくて(本業は新聞記者だったそうですが)妙にしっくりしました。『犬塚尭全詩集』の購入を思わず考えました。