『雑文集』
『雑文集』は雑文集。
傑作。
村上春樹のエッセイともつかぬ雑文が約70本。
坪内祐三は村上春樹は小説は悪いがエッセイはよいといったが、
私は半分だけ賛成。春樹は小説もよいからである。
村上春樹の最大の特徴は、リズムにある。ものすごく読みやすいのである。
実は、かなり難解なことを書いてあるのだが、リズムとたいへん地道な比喩が、そのことを感じさせない。
ある種、神の仕事である。すばらしい。
かなりメモをとったが、ここでご紹介するのはふたつ。
ひとつは、『ノルウェイの森』のエピソード。
本当はNorwegian Woodではなく、Knowing She Wouldであった可能性について。
英語が得意な向きにはこれでわかるし、わからなければ本書を読めばわかる。
まあ、確かに、それはIt's goodでありますわなあ。
もうひとつは『壁と卵』。例の歴史的なスピーチが本書には収められている。
下手すりゃ、これだけでも買い、だよなあ。
そのほか、いろんな文学賞の受賞スピーチや友の娘の結婚式に送った言葉などがあり、
これはぜひとも参考にしたいと思う次第。めちゃ格好いいんだもの。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/01/31
- メディア: 単行本
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