松村由利子『耳ふたひら』
- 作者: 松村由利子
- 出版社/メーカー: 書肆侃侃房
- 発売日: 2015/04/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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春ごろいただきました。
ありがとうございました。
10首選(☆1首選)
竹取の翁のように初物のマンゴー持ちて訪れる人
眉太き風が西から吹いてくる嵐の前にパンを焼くべし
サントリーホールのチケット購入し島抜けという言葉思えり
☆都市の力見せつけているキオスクの朝刊各紙の厚き林立
半身をまだ東京に残すとき中途半端に貯まるポイント
もうわたし器でなくなる日も近い川面に石を投げ続けても
湾というやさしい楕円朝あさにその長径をゆく小舟あり
手の甲と首から老いてゆくという女ほとほと面倒くさい
重い蓋がふっと外れることがある三つくらいの子ども見るとき
誕生日また来てあなた卒然と玄米ごはんに興味を示す
- 沖縄がおおむねの舞台。
- 積極的に戦後沖縄史や琉球受難の歴史をテーマにしている
- タイトルもそこに由来するものと思われる
- 首都圏との対比が具体的に出るとき、歌にちからが増している
- 積極的に戦後沖縄史や琉球受難の歴史をテーマにしている
- 年齢と相聞も大きなテーマ。
- 女性の老化をかなり端的に出しているのは独特で興味深い
- 年齢的には若々しすぎるほどの印象の相聞があり、これは俵万智・バブル世代の特徴かと考える
以上です