2011-01-01から1年間の記事一覧

『アンダー・ザ・ドーム』

『アンダー・ザ・ドーム』はダーク・エンタテイメント大長編小説。 御大スティーブン・キングが健在ぶりを発揮している。 舞台はアメリカのド田舎町チェスターズミル。 ある日、この町が「ドーム」と呼ばれることになる無色透明・無敵の強度を誇る構造体によ…

コイーバ

麗しきお嬢様がたお二人から、高級キューバ葉巻のコイーバを頂きました。 ありがとうございました。 短歌の新人賞受賞のお祝いだそうです。涙出ます。 東京にいた時から紙巻から葉巻へシフトいたしまして、 下北沢や渋谷地下の煙草屋で、一本400円くらいの安…

備忘録的なエネルギー政策への意見

ツイッターでだらだら書くのもありかと思ったのですけど、 まあなんとなく書いて置いておこうかと思いました。 原子力発電所 核燃料サイクル政策は放棄→無理だから 「もんじゅ」は廃炉 将来のオプションとしての核武装用のプルトニウムは十分にあるので、戦…

『中央モノローグ線』&『遠野モノがたり』

『中央モノローグ線』&『遠野モノがたり』はマンガ。 基本四コママンガ。 複数女性主人公で、前者は東京中央線の新宿-武蔵境までの各駅を、 後者は前者で主人公の役割を与えられていたイラストレイターの「なのか」さんが 岩手・遠野に引っ越したという設定…

全文引用

村上春樹によるカタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文をここに引用する。 引用元は毎日新聞のウェブサイト*1による。 引用に著作権違反の疑いがあると指摘された場合は すみやかに削除いたします。 それまでは、本文をここに掲げる。 日本人は村上のようなスポ…

『竹光侍』#1-8

『竹光侍』はマンガ。 傑作。 瀬能宗一郎という浪人が主人公。 彼は心に鬼を飼っており、それを封印するために竹光を腰にさしている。 異形の持ち主だが、普段は心やさしい、子どもの好きな好青年である。 そんな彼には出生の秘密と 運命が差配した、同じく…

『岸辺露伴ルーヴルへ行く』

『岸辺露伴ルーヴルへ行く』はマンガ。 現在、週刊少年ジャンプで『ピンクダークの少年』を連載している 岸辺露伴先生が主人公のマンガ。 世界一「黒い絵」を追って、露伴先生がルーヴル美術館へ行き そこで事件に巻き込まれるというもの。 全編カラー、超美…

授賞式

5/21は授賞式でした。 みなさまありがとうございました。 東京はたいへん暑くございました。 限界までは飲みませんでした。

『山魔のごとき嗤うもの』

『山魔のごとき嗤うもの』はミステリ。 作者の三津田信三は三作連続で日本オリジナルというべき 「地方怪奇伝承」+「連続殺人事件」+「名探偵」の鉄板ストーリーを 描ききった。 枯れた井戸から水を掘りこしたのである。 三作ともに水準以上というのも素晴ら…

黄金週間雑感

ここで紹介できる類のストックが消滅したので、 黄金週間についてぱらぱら書く。 カレーをたくさん食べた(4回食べた)。 馬肉を食べにいった。 浜千鳥の大吟醸を飲んだ。 NHKの「どんど晴れ」のスペシャルをみていたら、旅館でいきなり「じゃじゃ麺」を出せ、…

『東電OL殺人事件』

『東電OL殺人事件』はノンフィクション。 今から14年前におきた伝説的事件の2000年時点でのとりまとめ。 詳細はwikipediaをどうぞ。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E9%9B%BBOL%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6 そういえば、東電って昔、異常…

『空白の五マイル』

『空白の五マイル』はノンフィクション。 開高健ノンフィクション賞・大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 チベット高原の東端に世界最大のツアンポー峡谷が存在する。 峡谷を造ったツアンポー川はしかし、現在にいたるまで 人間の侵入を拒んできた。 数々の…

『東日本大震災』岩手日報版

『東日本大震災』は特別報道写真集。 地元の岩手日報社が編集。 岩手限定版。 三大紙の写真集より地元版を買うのが、 地元民の気概といいたいところ。 しかし、地獄絵図とはこういうことだ。 私は震災当日の夜の恐怖は忘れないだろう。

『トラウマ映画館』

『トラウマ映画館』は映画評。 コラムニストというべきか、多才な文筆家町山智浩によるごく個人的映画評。 町山が思春期のときに観た映画で、トラウマを残したものばかり25作を紹介している。 モノクロのカットが全てを占める。 ふーむ、なんというべきか、…

石割桜

盛岡には石割桜と呼ばれる超縁起物の桜がある。 おおむね、GW直前ごろからGW中までに満開となり、見ごろとなる。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%89%B2%E6%A1%9C こんな感じ。岩を割っているさまが見事。 石長比売のうえに木花之佐久夜毘売が咲…

『三陸海岸大津波』

『三陸海岸大津波』はノンフィクション。 明治二十九年の津波、昭和八年の津波、チリ地震津波(昭和三十五年)について記述。 シンプルだが有無を言わさない迫力のある筆致。 311*1の体験がフラッシュ・バックした。 女川原発は今回セーフだったが、これだけの…

『雑文集』

『雑文集』は雑文集。 傑作。 村上春樹のエッセイともつかぬ雑文が約70本。 坪内祐三は村上春樹は小説は悪いがエッセイはよいといったが、 私は半分だけ賛成。春樹は小説もよいからである。 村上春樹の最大の特徴は、リズムにある。ものすごく読みやすいので…

『二流小説家』

『二流小説家』はミステリ。 傑作。 主人公は二流の作家。ペンネームを使い分けて、エロSFやエロ吸血鬼ものを書いて糊口をしのいでいる。 ある日サイコ連続殺人鬼の死刑囚の自伝のゴーストライターにならないか、 という依頼を受け一攫千金を夢見るのだが、…

日本歌人クラブ新人賞

『地球光』が日本歌人クラブ新人賞を受賞いたしました*1。 みなさま、まことにありがとうございます。 *1:http://www.kajinclub.com/3shou2011.html

『秋葉原事件』

『秋葉原事件』はノンフィクション。 中島岳志の新刊。 加藤智大の「生涯」を綿密に追跡する。 それは、たしかに中島が述べるとおり、ある種の「文学」である。 同時代を生きる同世代の人間は、「歪んだ自分」を見ることになる。 なぜなら、それは「ありえた…

むかしの歌

木更津さんから批評会の写真をとても立派なフォトブックに入れて送っていただいた。 ありがとうございます。 一緒に昔京都新聞に書いていたエッセイ+歌の記事が入っていて、さらに感激。 これらの文章や歌はどこかにいってしまって、全てロストナンバーなの…

余震

更新したほうがいいかな?と思ったので更新。 大余震の記録。 トイレ(小)にいっているときに震度6弱 堪忍して、と叫びたい。 電気がばちばちいって停電。 便器汚れたけど、これはいたしかたなし。 汚わいな話でまことに申し訳ない。しかし、風呂よりはましだ…

某BD

アマゾンからの配送が復活したので、某BDを購入。 そう、我家は地デジに換えたさい、BD視聴をも可能にしたのである。 ついでにHDD録画も可能だ。ハイテクだぞ。 この某BDは神作との誉れも高い逸品である。 確かに厳選された内容であり、ストーリー的にもひと…

『京大短歌17号』

京大短歌17号は合同歌集。 現役生とOB・OGの歌およびエッセイ、幾分の評論からなる。 表紙はシンプルで私好み。 一首選 隣人の感情のまま秋風は煉瓦造りにしんと寄り添い(廣野翔一) 理不尽な寒さをコートに抱き込んで嫌いな人の口笛を聴く(小林朗人) 玄関に…

『not simple』

『not simple』はマンガ。 傑作。 無原罪の青年イアンを主人公とした物語。 イアンは冒頭で殺され、その後視点が過去に移動、 時間軸シャッフルをおこないつつ物語を収束させる。 あらゆる場面で報われない愛が強調され、 それは常に冒頭のイアンの死に回収…

『青い星まで飛んでゆけ』

『青い星まで飛んでゆけ』はSF短編集。 作者の小川一水は、現代日本SFを背負って立つ存在である。 伊藤計劃が生きていたら、と思うが、それは言ってはいけないことですね。 私は円城塔や冲方丁や西浩紀は嫌いなので、貴重な存在です。野尻抱介がマジメに書い…

カズ

ヴェルディのときのカズは嫌いで、 讀賣に代表される腐った世代の手先だろうと感じていて、 W杯で代表に落選したときはざまあみろと思っていた。 でも海外に挑戦して上手く行かず、 よくわからないけどサンガにまで来てくれて、 いつまでたっても辞めないで…

『もやしもん』#10&フクシマ

『もやしもん』#10はマンガ。 農大マンガという新ジャンルを開拓。 今回は某国旅行編。某国を列車や車で移動しながら 某国の食文化を紹介していく。 ストーリー的にも実は大きな変換点なのだが、 実は主人公はまだ一年生で、すでに10巻を費やしているに過ぎ…

批評会in京都 「奇跡の土曜日」について

さる3月26日の土曜日に京都で私の第一歌集『地球光』の批評会が開催されました。 今日はそのご報告をいたします。 まず、二点、最初に作者として確定させておかなければならないことがあるとわかりましたので、 それを記しておきます。 1.『地球光』のタイト…

ただいま!! 奇跡の土曜日をありがとうございました。 明日、詳細を書きます。