短歌

塔11月号

特集は全国大会報告。対談「<読み>の冒険」が面白い。 ちょっと書いておきたいのは、 わたしは別におしゃれではなく写メールで地元を撮ったりして暮らしてる (永井祐) という歌が「切実か」どうかという話があって、 対談者のお二人はこの読みには否定的な…

夏鴉(澤村斉美)

夏鴉―澤村斉美歌集 (塔21世紀叢書)作者: 澤村斉美出版社/メーカー: 砂子屋書房発売日: 2008/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 十首選何年かさきの私に借りてゐるお金で土佐派の図版を購(か)ひぬ ひつたりと血を落としゐるわが身体昨夜更…

時の基底(大辻隆弘)

時の基底作者: 大辻隆弘出版社/メーカー: 六花書林発売日: 2008/09/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る先週いただきました。ありがとうございました。 短歌時評98-07ということで、直近十年間に書かれた時評集である。 短歌時評というのは…

歌壇5月号

歌壇 2008年 05月号 [雑誌]出版社/メーカー: 本阿弥書店発売日: 2008/04/14メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る七首載りました。 初めての総合誌依頼原稿だったりします。 やっと咲きました。 巨大な石を割って咲く桜。 みたまん…

『風景と実感』(吉川宏志)

メディア: この商品を含むブログを見る 待望の第一評論集。 第一章 「実感」とは何か 第二章 短歌の風景論 第三章 風景をめぐる断章 第四章 歌人論 からなる。 いずれも重厚かつ自在の文章で、 引用してある歌の守備範囲の広さと的確な読みが際立っている。 …

『風景と実感』(吉川宏志)

メディア: この商品を含むブログを見る先ほど帰宅したら、嬉しい本が届いていました。ありがとうございました。 感想は来週書きたいと思いますが、 それにしても帯文が内田樹ですか。いやあ、羨ましいです。

http://www3.osk.3web.ne.jp/~seijisya/jihyou/jihyou_080121.html 「新年予想」に納得。 唐突だが、「フラット」な歌い方には観測者問題がまとわりつくと思う。 つまり、「ああ、これはフラットだな」と思いながら読むと その意識が邪魔をして「フラット」…

歌壇賞は予選通過のみでした。残念。 大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)作者: アンクリーヴス,Ann Cleeves,玉木亨出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/07/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 33回この商品を含むブログ (62件) を見る買いました。良いと評…

短歌の友人(穂村弘)

短歌の友人作者: 穂村弘出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2007/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 31回この商品を含むブログ (57件) を見る 歌人・穂村弘の評論集。 ただし評論といっても短いものがほとんどで、 多くは時評的な文章である。 集中…

鬼龍子(久々湊盈子)

鬼龍子―久々湊盈子歌集 (角川短歌叢書)作者: 久々湊盈子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2008/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る 十首選 自販機のなかに伊右衛門も若武者も眠らせて二ン月の雪は降り積む 光あまねき久高(…

『いま、社会詠は』その二

いま、社会詠は作者: 吉川宏志・大辻隆弘・小高賢出版社/メーカー: 青磁社発売日: 2007/09/20メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (2件) を見る その一からかなり経ってしまいましたが、 この論争について思うところを記したいと思…

うさはらし

ちょっと英語書くのに疲れたので、短歌でうさを晴らしてみます。 『ネット短歌の盛り下がりを喜ぶ 2』 http://sleepingarea.seesaa.net/article/61763677.html というエントリを興味深く読みました。 ネット短歌について何か言うことは今回避けますが、 ち…

『バグダッド燃ゆ』(岡野弘彦)

バグダッド燃ゆ―岡野弘彦歌集作者: 岡野弘彦出版社/メーカー: 砂子屋書房発売日: 2006/07メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る 十首選 石碑(いしぶみ)に苔むす文字をたどりゆき ふつふつと 心 たぎりくるなり 焼けこげて 桜の下…

角川短歌賞

今さっき家に帰ったら、角川から手紙が来ていて、なんじゃこりゃと思ったら 「あなたは佳作」とのことでした。 なんだか50首全部載るみたいです。 頑張ります。

『いま、社会詠は』その一

先ほど家に帰ったら注文していた『いま、社会詠は』の全記録が届いていたので 早速読んでみました。 HP上での「週刊時評」のとある記事から始まったWeb上での論争が リアルでのシンポジウムにあれよあれよという間に結実したことが冬にあったのですが、 本書…

短歌研究新人賞

ブルー・シャンペン (ハヤカワ文庫)作者: ジョンヴァーリイ,John Varley,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1994/09メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 24回この商品を含むブログ (44件) を見る虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者: …

『岡井隆と初期未来―若き歌人たちの肖像』(大辻隆弘)

岡井隆と初期未来作者: 大辻隆弘出版社/メーカー: 六花書林発売日: 2007/08/25メディア: Stationery購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見る 送っていただき、ありがとうございました。大変面白く読みました。 以下、文体を変えて書評(と…

文春

今月号の文藝春秋*1を立ち読みしていたら(主たる目的はオシム)、ふと気付くと短歌が紀野恵でした。 久々に読んだのですが、歌、変わりましたね。掲載紙の需要を考慮したのかもしれないですが。 時期的にそろそろ次の歌集なのかな?変化しているのならばその…

『夏空彦』(大辻隆弘)

メディア: この商品を含むブログを見る 十首選 五十鈴川のみなもとふかく辿りきて高麗広(かうらいびろ)といふ字にあふ うまくない移民の歌におぼれゆくその誠実を疎むにもあらね ジャパン・ブルーといふ青を着る若者のさはさはせるに乗りあはせたり 脚長き月…

現代歌人協会賞

先週の火曜日に棚木恒寿さんの現代歌人協会賞授賞式に行ってきました。 場所は学士会館。古き良き「権威」の香りがほのかにただよう小粋な建物です。 年配の方々が多く出席されているのが強く印象に残りました。 現代歌人協会賞は第一あるいは第二歌集に与え…

現代詩手帳6月号

現代詩手帖 2007年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 思潮社発売日: 2007/05/29メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 特集が『岡井隆全歌集』完結記念討論会。思潮社刊だと、現代詩の雑誌で歌人の仕事を詩人や俳人が検討するという…

田園に死す

you tubeに寺山修司の映画『田園に死す』の冒頭が落ちてました。 あらすじはこんな感じみたいです*1。 …あんまり見る気しないなあ。 最近、寺山は歌のほうでも特集や言及をみかけないですね。 *1:http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18279/story.html

批評会

今日、棚木恒寿さんの歌集『天の腕』の批評会に行ってきました。 短歌のイベントは久しぶりですが、やや戸惑うことも。 若手のパネラーがかなり雑な議論をしたのにもかかわらず周囲が妙に付和雷同的だったもので。 発言の機会が時間的になかったのが少々残念…

時評

http://www3.osk.3web.ne.jp/~seijisya/jihyou/jihyou_070326.html http://www3.osk.3web.ne.jp/~seijisya/jihyou/jihyou_070402.html これらの時評を読んで気になっていたのですが、ようやく角川「短歌」2007.4号の問題の文章を読みました。 佐佐木幸綱の文…

現代短歌最前線 新響十人

現代短歌最前線新響十人作者: 石川美南出版社/メーカー: 北溟社発売日: 2007/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (4件) を見る 1970年以降生まれの歌人十人の自選二百首+エッセイによるアンソロジー。 かなり若いメンツで、歌…

蜀山残雨

蜀山残雨―大田南畝と江戸文明作者: 野口武彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/12メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る 天明狂歌の代表的「歌人」である蜀山人こと大田南畝の伝記です。 人物として破格に面白いうえに著者の…

『豊作』第五号

次号も待ってます。 各一首選 道がまだ熱をもたない朝方の月にうっすら浮かぶ静脈(金田光世) 石膏像の背後は赤く見えることもありぬ君には告げざりしこと(花山周子) 七発のミサイルのうち三発の着水地点を図に描ける(井上雅史) 隣人に滞納処分の公売を告げた…

当ブログでも取り上げた歌集『天の腕』の批評会が以下の要綱でおこなわれるそうです。 今期の注目歌集ですので、関係者のかたはくれぐれもお見逃しにならないように。 棚木恒寿歌集『天の腕』を語る会ご案内 私たちの仲間である棚木恒寿さんが第一歌集『天の…

昨日は澤村さんの角川短歌賞授賞式でした。 澤村さん、あらためて受賞おめでとうございます。 スピーチも実にキャッチーで、いい会でした。 また、久しぶりにお会いできた方々、初めてお会いできた皆様、本当にありがとうございました。

今さっき帰ってきて知ったのですが、歌壇賞次席でした。 これは、なにかと迷走していた私をあたたかく見守ってくださった皆様のおかげであります。ありがとうございました。